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手入れのいらない庭をつくるコツ – 新築時に押さえたいポイントとは?

手入れのいらない庭をつくるコツ – 新築時に押さえたいポイントとは?

住まいづくり

憧れの広いお庭付きの家を建てたのに、いざ暮らし始めると植栽のお手入れが大変 ―― そんな方が少なくありません。お庭があるとすてきですが、お手入れが重い負担になるのは嫌ですよね。

とは言え、やっぱりお庭のある家はすてきです。できるだけ手間をかけずに美観を維持できたらいいのですが、そんなことが可能なのでしょうか?お手入れのいらないお庭なんて、あるのでしょうか?

完全メンテナンスフリーにはできないかもしれませんが、お手入れが楽なお庭ならつくれます。本稿で「お庭を省メンテナンスにするコツ」をご紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。

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お手入れのいらない庭・お手入れが楽な庭をつくる3つのコツ

お手入れのいらない庭・お手入れが楽な庭をつくる3つのコツ

植物がある限り「完全メンテナンスフリーのお庭」にするのは不可能です。―― では、植物をなくしてしまうのはどうでしょうか?

植物は、暮らしや家の外観を豊かにしてくれます。緑が一切なくなると、よほど注意してデザインしない限り殺風景になり、家が貧相に見えてしまいますよね。

それにお庭いじりやガーデニングは、幅広い世代に人気の趣味です。ですから「少しは植物を世話したい」と感じている方が少なくないでしょう。

参考:総務省統計局「高齢者の趣味・娯楽は園芸・庭いじり・ガーデニングが最も多い」

もしも、必要最低限のお手入れで美観を保てるお庭がつくれたら、一番いいですよね。あまり手をかけずに「すてきなお庭」を維持するには、どうすればいいのでしょうか?

お庭を省メンテナンス化する際のポイントは「手入れする範囲を小さくする」と「手入れを省力化・自動化する」です。このふたつを達成するための具体的なコツを、3つご紹介しましょう。

コツ1:何が手間になるのかリストアップしよう

お庭の「お手入れ」には、さまざまなものがあります。まずはどのお手入れの範囲を小さくするのか、そしてどのお手入れを少量化あるいは自動化するのか、明確にするとよいでしょう。

ですから、最初にお庭に必要な「お手入れ」を分解してリストアップしてみましょう。たとえば、こんな感じです。

  • 除草
  • 草刈り・芝刈り
  • 植栽の剪定(せんてい)
  • 水やり・栄養補給
  • 病気や害虫の管理
  • 土壌の管理
  • 落ち葉の掃除
  • デッキやテラスのメンテナンス
  • ガーデンファニチャーの掃除

リストアップできたら、お手入れを「できそうなこと」と「やりたくないこと」に分けてみましょう。「やりたくないこと」が、範囲の縮小や省力化・自動化のターゲットになります。

たとえば「落ち葉の掃除が面倒」と感じるなら、落葉樹より常緑樹を選んだ方が落ち葉を少なくできます。さらに、樹木の数を減らして1箇所にまとめれば、掃除の範囲も狭くできるでしょう。

「ウッドデッキが欲しいけど、メンテナンスが苦手」とお考えなら、天然木ではなく、腐食の心配がない人工樹脂製のウッドデッキにするとメンテナンスの手間を減らせます。

コツ2:しっかりゾーンニングして、お手入れする範囲を限定しよう

除草や草刈り、芝刈りに手を焼いている方が少なくありません。これらの対策ができれば、かなり省メンテナンスの庭になるでしょう。

除草・草刈り・芝刈りを減らすコツは、ゾーニングにあります。ゾーニングされていないお庭は、植栽の面積がどんどん広がって、必要なお手入れもどんどん増えていきがちです。

除草や草刈り、芝刈りが必要な部分を限定すると、庭のお手入れが楽になります。さらに、以下のふたつを明確に区切ると、お手入れしやすくなるでしょう。

  • 被覆スペース(歩く場所や駐車場など、被覆材で覆うエリア)
  • 植栽スペース(芝生や草花、樹木を植えるエリア)

植栽スペースを限定して残りの土壌部分を被覆することで、メンテナンスの手間を大きく減らせます。被覆の方法もご紹介しておきましょう。

防草シート+砂利・砕石 高密度で敷き込むことで、雑草が生えにくくなる。費用を抑えやすいところが長所。掃き掃除がしにくく、お庭らしさを演出しづらいところが短所。
防草シート+人工芝 芝のような趣にできて、芝刈りが不要になるところが長所。天然芝よりも高額になる場合があるところが短所だが、DIYでコストダウンすることも可能。
タイル・レンガ・天然石 暖かな雰囲気にできるところと、掃除しやすいところが長所。目地部分から雑草が生えるので、注意が必要。ものによっては高額になる。
インターロッキング コンクリートをブロック調に成形し、お互いかみ合うようにした被覆材。ブロックやコンクリートの長所・短所をあわせ持つ。目地から雑草が生えにくい。
モルタル・コンクリート 雑草が生えない、耐久性が高い、掃除しやすいところが長所。見た目が殺風景になりやすいところが短所。直射日光を受けると蓄熱しやすいので、注意。

植栽スペースをどのように取り入れるかが、ゾーニングの勘所です。うまく限定することで、眺望がよくなるだけでなく、雑草に悩まされにくくなります。

被覆部分と植栽部分の配置とバランスも大切です。うまくプランする自信がない方は、お庭の設計にたけた外構業者に依頼するとよいでしょう。

コツ3:手入れの少ない草花や木を選び、お手入れを省力化しよう

草花や木があると、多かれ少なかれ手入れが必要です。お庭全面をモルタルやコンクリートで固めたくない方は、お手入れの少ない草花や木を選ぶとよいでしょう。

剪定や水やり、栄養補給、病気や害虫の管理に手間のかかる植物を植えてしまうと、お手入れが面倒になります。剪定時期の違う植物を混植すると、剪定頻度が増えますので注意が必要です。

では、どんな植物を選べばいいのでしょうか?―― お手間を少なくするための植物選びのポイントをご紹介しましょう。

  • 病気や害虫が少ない
  • 日本の気候に適応できる
  • 落ち葉が少ない(常緑樹)
  • 樹形が乱れにくい
  • 成長が緩やかで、選定頻度が少ない

草花は、病気や害虫が少ない種類を選びたいところです。さらに、日本の気候に適応できる日本原産の植物や帰化植物であれば、あまり手をかけなくてもうまく成長してくれるでしょう。

樹木は、落ち葉が少ないものや樹形が乱れにくいものを選びたいところです。さらに、成長が緩やかな樹種なら、剪定の頻度を減らせるでしょう。

草花なら多年草や宿根草、樹木なら常緑広葉樹がおすすめです。

多年草 アシュガ、マツバギク、シバザクラ、ヒメツルソバ、クリスマスローズなど。ワンシーズンで枯れてしまう一年草と違い、冬越しができる。積雪に耐えられるものと、耐えられないものがある。
宿根草 ギボウシ、ネペタ・キャッツパジャマ、ヘリオプシス・サマーパレット、レウカンセマム・ミルキーウェイなど。多年草の仲間。生育できない時期に地上部が枯れるが、生育期になると再び発芽する。
常緑広葉樹 シマトネリコ、ジョウリョクヤマボウシ、オウゴンモチ、チェリーセージ、ウキツリボクなど。比較的落ち葉が少ないので、掃除の手間を省ける。目隠しや生け垣、シンボルツリーに用いられる。

季節感のある一年草の花は、お手入れ難度がやや高くなります。ですから、花壇にたくさん植えるより、鉢で楽しむとよいでしょう。玄関アプローチなどに置いておくと、ぱっと華やかになりますよ。

省メンテナンスを目指している方には、庭のお手入れを自動化できるツールもおすすめです。たとえば、スプリンクラーやドリップチューブなどの散水装置があれば、水やりの手間が減るでしょう。

タイマー式の散水装置なら、長期間留守にするときにも便利です。自分で水やりをする機会を減らせますので、夏場の熱中症対策にもなるでしょう。

新築時に考慮しておきたい!手入れがいらない庭づくりのポイント

新築時に考慮しておきたい!お庭づくりのポイント

お庭の計画をするなら、新築時が最適です。新築時なら、こんなメリットがあります。

  • 気力が充実している
  • 電気や水道を引きやすい
  • 引っ越し前に工事を完了できる
  • 建物やお庭の配置を最適化できる

もしも、あなたが新築をご計画中でしたら、このチャンスにお庭の設計にもこだわってみましょう。

眺望?ガーデニング?お庭の役割を考えよう

家を設計するとき、間取りに意識を取られてしまいがちです。せっかくのチャンスですから、玄関アプローチやお庭などの「外構」にも目を向けてみましょう。

外構のプランをつくるときは、お庭をどう使いたいのか考えておくことが大切です。ある程度、老後も見据えて考えましょう。

代表的なお庭の使い方をリストアップしておきます。この中に、あなたのやりたいことはありますか?なければ、あなたなりに考えてみてください。

  • 眺める
  • 家庭菜園やガーデニングをする
  • 子どもの遊び場にする
  • ドッグランにする
  • アウトドアリビングにする
  • BBQをする
  • ガレージにする

お庭の使い方を明確にすると、お庭の配置がビシッと決まり、メリハリのあるゾーニングを実施できますよ。植物を植えるエリアと被覆するエリアも、的確に区分できるでしょう。

家のデザインとトータルコーディネートしよう

新築時にお庭にも着目することで、家とお庭のトータルコーディネートができます。新築時にお庭まで含めてしっかり設計しておくと、見栄えのグレードがアップしますよ。

手間のかからないお庭を目指すと、ともすれば家やお庭の印象が貧相になりがちです。家の印象は「外構まで含めたトータルの見た目」で形成されますので、お庭の見栄えの影響を受けます。

家をハイセンスに見せたいなら、ある程度は植栽等によるデコレーションが必要です。シンボルツリーが1本植わっているだけでも、ずいぶん家の印象がよくなりますよね。

お手入れの手間と家の印象のバランスを取りながら、あなたにピッタリのお庭づくりを目指してみてください。

お手入れのいらない庭・お手入れが楽な庭の実例

最後に、お手入れが楽になるお庭の例をご紹介しましょう。

ケース1:人工芝と、大きなタイルデッキ

人工芝と、大きなタイルデッキ

最初にご紹介するのは、一年中緑を楽しむことができる人工芝と、大きなタイルデッキを設けたお庭の事例です。休日は、お庭でBBQをして過ごすこともあるそうです。

お庭に面してハイサッシの大型窓がついていますので、LDKからいつでもお庭を眺められます。お庭で遊んでいるお子さまを、LDKから見守れます。

大空間!木目の温かみが際立つシックなモダン住宅

ケース2:約90坪の広い敷地で、お庭広々

約90坪の広い敷地で、お庭広々

つづいて、約90坪の広い敷地内にある、南から光が差し込むお庭です。じゅうぶんな台数の車が停められ、かつお庭のスペースも広く取れています。

大半をブロックやモルタルなどで被覆していますので、雑草に悩まされにくいお庭です。住みながら芝を植えていくご計画で、いずれはお友達を呼んでホームパーティーをされるそうです。

広い敷地でゆったりと暮らす大屋根の家

ケース3:LDKと繋がるリゾート風タイルデッキ

LDKと繋がるリゾート風タイルデッキ

最後は、LDKと繋がる大きなタイルデッキスペースがあるお庭です。友人を集めてパーティーをしたりゆったりと景色を眺めたりしながら、ジャグジーを楽しめます。

LDKも、リゾートをイメージして設計されています。室内空間とお庭をトータルでコーディネートできるところが、新築のメリットです。

眺望を楽しむラグジュアリーな家

【まとめ】共働き世帯におすすめ!お手入れのいらない庭にしよう

手入れが楽な庭をつくるコツをご紹介しました。ポイントは「手入れする範囲を小さくする」ことと「手入れを省力化・自動化する」ことです。

お庭に緑があると、暮らしや家の外観が豊かになります。植栽の範囲を限定して手入れの少ない植物を選び、自動化ツールを導入すれば、お庭のメンテナンスがかなり楽になりますよ。

新築時にお庭を広く取ったにもかかわらず、上述のような工夫でお手入れを少なくしている方がたくさんおられます。先輩のアイデアを参考に、あなたにピッタリのお庭を実現してください。

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