平屋を建てるのに必要な土地の広さ(土地面積、坪数)の目安は?
住まいづくり
平屋の新築を検討し始めると「土地の広さは、どのくらい要るのだろう?」と悩みますよね。平屋は大きな土地を必要とする印象がありますから、土地の広さが気になって当然です。
さて、平屋を建てるのに必要な土地の広さに目安はあるのでしょうか?―― じつは、家族の人数や住みたい地域の「建ぺい率」が分かると、平屋を建てるのに必要な土地面積の目安を算出できます。
本稿では、その目安を家族の人数別に計算してご紹介します。あなたが平屋を建てる際、どのくらいの広さの土地が要るのか検討するときの参考にしてください。
4人家族が住む平屋に必要な「延床面積」は何坪?
平屋を建てるのに必要な土地の広さを算出するには、まずどのくらいの面積の建物を建てるのか決める必要があります。
では、建物の面積の目安は、どうやって算出すればいいのでしょうか。たとえば、4人家族が住む平屋なら、どのくらいの広さが必要なのでしょうか。
ここで参考になるのが「誘導居住面積水準」と「最低居住面積水準」です。
誘導居住面積水準と最低居住面積水準
家族の人数別に建物面積の目安を計算するために、まずは「誘導居住面積水準」と「最低居住面積水準」についてご説明します。
誘導居住面積水準
誘導居住面積水準とは、豊かな住生活の実現のために必要と考えられる面積水準のことです。世帯人数や多様なライフスタイルを考慮して、設定されています。
誘導居住面積水準は「一般型」と「都市居住型」に分けて策定されています。一般型誘導居住面積水準は、以下のとおりです。
- 単身者 55 ㎡
- 2人以上の世帯 25 ㎡×世帯人数+25 ㎡
一方、都市居住型誘導居住面積水準は、以下のとおりです。
- 単身者 40 ㎡
- 2人以上の世帯 20 ㎡×世帯人数+15 ㎡
なお、計算で用いる世帯人数や面積は、以下の条件で加除されます。
- 3歳未満の者は0.25人として算定
- 3歳以上6歳未満の者は0.5人として算定
- 6歳以上10歳未満の者は0.75人として算定
- 算定された世帯人数が2人に満たない場合は2人とする
- 世帯人数が4人を超える場合は、上記の面積から5%を控除
この加除条件は、次に説明する「最低居住面積水準」にも適用されます。
最低居住面積水準
最低居住面積水準とは、健康で文化的な住生活を営むために必要不可欠と考えられる面積水準のことです。具体的な面積は、以下のとおりです。
- 単身者 25 ㎡
- 2人以上の世帯 10 ㎡×世帯人数+10 ㎡
こちらは「一般型」と「都市居住型」の区分がありません。
家族の人数別、平屋に必要な床面積の目安
それでは、床面積の目安を、家族の人数別に「最低居住面積水準~誘導居住面積水準」の範囲で計算してみましょう。なお、家族は全員10歳以上と仮定して、一般型誘導居住面積水準で計算します。
家族の人数 | 必要な床面積の目安 |
---|---|
単身 | 25~55㎡(約7.56~16.64坪) |
2人 | 30~75㎡(約9.08~22.69坪) |
3人 | 40~100㎡(約12.10~30.25坪) |
4人 | 50~125㎡(約15.13~37.81坪) |
5人 | 57~142.5㎡(約17.24~43.11坪) |
6人 | 66.5~166.25㎡(約20.12~50.29坪) |
建物の床面積の目安を算出できました。とは言え、最低居住面積水準は相当に狭いです。満足な部屋数や収納スペースを確保できません。
理想は、誘導居住面積水準の前後とお考えいただくとよいでしょう。よって、4人家族なら「35~40坪」くらいの平屋を建てられると理想的です。
40坪の平屋を建てるのに必要な土地の広さ(土地面積、坪数)は?
さて、4人で暮らす平屋の床面積の目安が「35~40坪」くらいだとすると、その平屋を建てる土地は何坪くらい必要なのでしょうか。
建物の坪数別、平屋を建てるのに必要な土地の広さ
建物面積 | 建ぺい率 | 必要な土地面積 |
---|---|---|
30坪 | 30% | 約100坪 |
40% | 約75坪 | |
50% | 約60坪 | |
60% | 約50坪 | |
70% | 約43坪 | |
40坪 | 30% | 約133坪 |
40% | 約100坪 | |
50% | 約80坪 | |
60% | 約67坪 | |
70% | 約57坪 | |
50坪 | 30% | 約167坪 |
40% | 約125坪 | |
50% | 約100坪 | |
60% | 約83坪 | |
70% | 約71坪 |
建物面積の上限は、一定の区域ごとに規定されている「建ぺい率」によって制限されています(詳しくは後述)。ですから、40坪の平屋を建てるには、建ぺい率に応じて約50~133坪の土地が必要です。
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建ぺい率 (建蔽率)・容積率とは
つづいて「建ぺい率」と「容積率」について解説します。両方とも、家を建てるのに必要な土地の面積に関わります。これから土地を購入されるご予定でしたら、ぜひ意味を把握しておいてください。
建ぺい率(建蔽率)とは
建ぺい率とは、敷地面積に対する建築面積の割合のことです。建築基準法第53条 で、用途地域ごとに上限が定められています。その上限を超える面積の建物は、建築できません。
参考:建築基準法第53条
建ぺい率は、以下の式で計算できます。
建ぺい率=建築面積÷敷地面積×100
「敷地面積」とは、家を建てる土地の面積のことです。ただし、水平投影面積(真上から見て測定した面積)であり、地面の凹凸や傾斜は考慮しません。つまり、実際の面積と若干異なります。
「建築面積」とは、建築物の外壁または外壁内の柱の中心線で囲まれた部分の面積のことです。ただし、軒やバルコニーなどの外壁から突き出した部分には、別に加算・非加算のルールが適用されます。
建ぺい率に上限を設けている理由は、敷地内に一定の空地を確保するためです。空地を確保すると、以下のメリットがあります。
- 火災時の延焼防止や避難経路の確保に役立つ
- 日照や通風、町並みの美観維持に役立つ
容積率とは
容積率とは、敷地面積に対する建築物の延床面積の割合のことです。建築基準法第52条 で用途地域ごとに上限が定められています。建ぺい率と同様に、上限を超える面積の建物は建築できません。
参考:建築基準法第52条
容積率は、以下のふたつの式で計算できます。いずれか低いほうが適用されます。
- 容積率=延床面積÷敷地面積×100
- 容積率=前面道路の幅(m)×法定乗数(0.4または0.6)×100
「延床面積」とは、各階の床面積を合計した面積のことです。一定の要件を満たすことで、不算入にできる区画(ロフトや災害用備蓄倉庫、床がない吹き抜けなど)もあります。法定乗数は用途地域によって異なります。
容積率に上限を設けている理由は、建物の大きさを制限するためです。建物の大きさを制限することで、日照の確保や住環境の保護などが図られています。
平屋は1階建てですので、あまり容積率を気にする必要がありません。主に建ぺい率にご注意いただくとよいでしょう。
平屋を建てるための「土地を探し」の注意点
先述のとおり、平屋を建てるための土地を購入するとき、以下のふたつを確認しておく必要があります。
- 建物の延床面積
- 土地の建ぺい率
建物の延床面積が決まっている場合、その地域の建ぺい率によって、最低限必要な土地の大きさも決まります。世帯人数等から、建物の延床面積を推測しておきましょう。
延床面積や建ぺい率を確認せずに土地を購入してしまうと、思い描いていた家が建たない事態になりかねません。抜かりがないように、ご注意ください。
ドッグランやガーデニングのために広めのお庭が欲しい方は、お庭の計画も青写真を描いてから、土地を購入しましょう。建物面積やお庭の計画が未決定の方は、広さに余裕のある土地を購入したいところです。
土地と建物の予算は、バランスを取ることが大切
注文住宅の総予算は「建築工事費+土地代+諸費用」で計算できます。この計算式から、限りのあるご予算の中で「工事費と土地代の配分をどうするか」についてよく考えることが大切だと分かります。
一方、平屋は2階建てより大きな土地が必要です。建築コストも2階建てより上がりやすいでしょう。ですから、総予算を上げたくない場合は、リーズナブルな広い土地を探さなくてはなりません。
ところが、注文住宅ではそれが難しいのです。なぜなら、注文住宅を建てる流れが、以下のようになっているからです。
- 土地を購入
- ハウスメーカー選び
- 設計
- 建物工事
- 外構工事
このように進んでいく注文住宅の家づくりでは、後先考えずに土地に予算を使いすぎる傾向があります。しかし、建物や外構(お庭や玄関アプローチなど)の予算も計画的に残しておかねば、理想の家を建てられません。
土地の価格は、利便性の影響を大きく受けます。利便性に引かれて高額な土地を買いそうになったら「建物や外構の予算は、ちゃんと残るのか?」と自問してみてください。
ハウスメーカーの意見も聞きながら、土地を選ぶ
土地も家も、どちらも理想を追求したい方は、ハウスメーカーの意見を聞きながら土地探しを進めていただくとよいでしょう。
先述のとおり、高すぎる土地を買ってしまうと、理想の家が建てられなくなります。思い描いていた外構も、つくれなくなるでしょう。
一方、安い土地ならなんでもいいかというと、そうではありません。たとえば以下のケースでは、建築コスト増につながる場合もあり、総予算を抑えられないかもしれません。
- 敷地内に高低差がある
- 敷地内に土留めの擁壁(ようへき)がある
- 地盤が軟弱
予算内で希望どおりの家を建てたいなら、ハウスメーカーの意見を聞きながら進めるほうがよいでしょう。うまくいく可能性が高まります。
土地探しとハウスメーカー選びは並行しておこない、希望の広さの家が建つのか、建築コストが増えそうなリスクはないか確認しながら家づくりを進めましょう。
【まとめ】平屋を建てるのに必要な土地の広さ
30坪の平屋を建てるなら少なくとも「約40~100坪」程度の土地が必要で、40坪の平屋なら「約50~130坪」程度の土地が必要です。お庭を充実させたい方は、もっと必要になるでしょう。
一方、土地が大きくなればそれだけ取得コストも大きくなります。ですから、ちゃんと建物や外構のご予算も残るように、計画的に土地を購入していただくことをおすすめします。
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