
もう迷わない!分譲地の区画の選び方・土地選びのポイントを解説
住まいづくり
家づくりで最初に直面する大きな選択と言えば「土地選び」です。中でも「分譲地の区画選び」が難しく、決められなくなるほど迷う方が少なくありません。高額な買い物ですから当然です。
角地や南向きなど「人気の区画」は確かに魅力ですが、あなたにとってベストとは限りません。一度建てた家は動かせないからこそ、区画選びで失敗しないことが非常に大切です。
本稿では、区画の選び方を3つのステップに分けて解説します。さらに土地の選び方のポイントも具体的にご紹介します。読後には、自分たちに合った区画を選ぶための判断基準が身につきますよ。
分譲地の区画の選び方を3ステップで解説
分譲地の区画を選ぶとき、「どの土地が本当に自分たちに合うのか」と迷ってしまう方が少なくありません。
角地や南向きなど人気の区画はすぐに売れてしまうこともありますが、それが必ずしもあなたのご家族にとって最適とは限りません。
さっそく、後悔しないための「区画の選び方」を3ステップでご紹介します。
step1.自分たちの「優先順位」を明確にする
区画選びでまず大切なのは、自分たちが土地に求める条件の「優先順位」をはっきりさせることです。
優先順位を曖昧にしたまま探し始めると、魅力的に見える土地に気持ちが揺らぎ、「もっと冷静になって検討すればよかった」と後悔する原因になりかねません。
逆に優先順位を明確にしておけば、数ある区画の中から自分たちに合う土地を絞り込みやすくなります。
▼区画タイプごとの特徴を理解する
分譲地には角地・南向き・旗竿地など、さまざまなタイプがあります。それぞれにメリット・デメリットがあり、どれがよいかはご家族の価値観次第で変わります。
たとえば「日当たり」を優先するなら南側道路や南東角地が候補に入ります。一方、「プライバシー重視」であれば北側道路の区画も魅力的です。
さらに「予算を抑えたい」という条件がもっとも重要なら、価格が比較的安い旗竿地を検討するのも一案です。
▼家族で優先順位を整理するコツ
このように、条件の優先順位を付けることで選択肢が整理され、冷静に判断できるようになります。
まずはご家族で「何を一番大事にするか」を話し合ってみましょう。日当たりなのか、価格なのか、利便性なのか ⸺ 優先順位が決まれば、多少の短所があっても納得して選べるようになります。
紙に書き出して比較するだけでも、整理が進むでしょう。ぜひ、挑戦してみてください。明確な基準を持つことが、後悔のない区画選びの第一歩になります。
step2.現地を訪れ「区画の特性」を多角的に確認する
優先順位を明確にしたら、次は必ず現地を訪れてみましょう。図面や資料だけでは分からない情報を、自分の目や耳で確かめることが大切です。
日当たりや風通し、周辺の音やニオイといった要素は、日常の暮らしやすさに直結します。しかし、実際にその場に立たなければ感じ取れません。
▼図面では伝わらない暮らし心地
たとえば「南向き」の区画でも、周囲の建物の高さによっては、思ったほど日当たりがよくない場合があります。風通しも、建物の配置次第で大きく変わります。
また、交通量の多い道路沿いは騒音が気になるかもしれません。飲食店や工場が近ければ、ニオイの問題も生じます。こうした情報は、図面や資料からは読み取れません。
▼時間帯や天候を変えて確認する
現地を訪れる際は、できれば一度だけでなく複数回訪問するのがおすすめです。朝と夕方では光の入り方がまったく違います。平日と休日では交通量や周辺の生活音も変わります。
晴れの日と雨の日でも、水はけや歩きやすさに差が出ることがあります。条件を変えて訪れることで、その土地での暮らしをより立体的にイメージできるはずです。
現地確認は、図面に載らない情報を手に入れる絶好の機会です。五感をフルに使って暮らしのリアルを確かめることが、納得度の高い区画選びにつながります。
step3.見学した土地を採点して、比較検討する
土地選びでは、「雰囲気がいい」「なんとなく明るい気がする」といった印象に左右されがちです。
しかし、その印象だけで契約すると、暮らし始めてから「こんなはずじゃなかった」と後悔につながることもあります。
そこで役立つのが採点方式です。要望の優先度に応じて配点を変え、すべての候補地に点数を付けてみましょう。
採点表の一例を記載しておきます。ご自身の要望に合わせて、採点項目や配点を変更してご利用ください。
優先順位 | 点数 | 土地A | 土地B | 土地C |
---|---|---|---|---|
予算内 | 100点 | ◯ | × | ◯ |
4LDKが建つ | 70点 | × | ◯ | × |
日当たり良好 | 60点 | ◯ | × | × |
高低差なし | 50点 | × | ◯ | ◯ |
合計 | 160点 | 120点 | 150点 |
このように採点することで、どの土地があなたの要望に近いか可視化されます。満点の土地はありませんから、期日までに最高得点の土地を買えばいいということになります。
大切なのは「自分たちで納得できる判断基準」を持ち、最後までブレずに選び抜くことです。
土地や分譲地の区画を選ぶ際のポイント
ここからは、具体的に区画を選ぶときに知っておきたいポイントをご紹介します。
とくに道路の位置や方角は、日当たりやプライバシー、資産価値に大きく関わります。代表的な区画ごとの特徴を把握しておくと、自分たちの優先順位に沿って冷静に判断できるようになります。
道路の位置・方角による区画の特徴を覚えておこう
以下のような区画割りの分譲地を想定して、真北にある(1)の区画から順番に、時計回りで特徴をご紹介します。
▼1:北側道路の土地の特徴
建物の南側に庭やリビングを設けやすく、プライバシーを確保しやすい区画です。価格が抑えられる点も魅力です。
一方で北側に玄関や駐車場を配置するため、建物の正面が暗く見えやすく、冬場は道路が凍結しやすい点に注意が必要です。
▼2:北東角地の土地の特徴
2方向が道路に接し、開放感があります。東側から朝日を取り込みやすく、価格も南東角地より手頃な場合が多いです。
ただし南側に大きな建物があると、午後から日陰になることがあります。冬は冷え込む恐れがありますので、断熱対策が必須です。
▼3:東側道路の土地の特徴
午前中の採光に優れ、朝日をたっぷり取り入れられます。南側に庭を確保しやすいのも利点です。
デメリットは、午後になると隣接建物の影響で日差しが遮られやすいことです。
▼4:南東角地の土地の特徴
日当たり・通風・開放感に優れ、非常に人気の区画です。資産価値も高く、売却時に有利になる傾向があります。
一方、価格が高めに設定されることが多いでしょう。通行人の視線が気になりやすいため、設計の配慮が必要です。
▼5:南側道路の土地の特徴
一日を通して日当たりが良好で、明るく快適な住まいを実現できます。資産価値も安定しやすい区画です。
ただし価格が高めで、道路に面したリビングや庭はプライバシー確保の工夫が欠かせません。
▼6:南西角地の土地の特徴
午後から夕方にかけての日差しを確保しやすい区画です。南東角地より価格が抑えられる傾向があり、日当たりを確保しつつ予算を抑えたい方に人気です。
ただし西日が強く、夏場は室内が暑くなりやすいため、遮熱対策が必須です。
▼7:西側道路の土地の特徴
午後の日差しをしっかり取り込めるため、夕方まで明るい空間を保てます。南側に庭を設けやすく、プライバシーも確保しやすいです。
デメリットは強い西日で、冷房費が増える可能性があります。窓の位置や植栽などで西日の侵入を和らげましょう。
▼8:北西角地の土地の特徴
風通しがよく開放感のある区画です。価格が南向き角地より抑えられるため、コストを重視する方に向いています。
ただし採光は午後が中心で、夏場は西日による暑さが課題となります。
▼9:中央(旗竿地)の特徴
道路から奥まった場所にあるため静かで、価格も他の区画と比べると安くなることが多い区画です。外からの視線が届きにくい点もメリットです。
一方で日当たりや風通しは不利で、資材搬入などの困難さから工事費が割高になる可能性もあります。
▼区画はライフスタイルに合わせて選ぶ
このように区画には、道路や方位との関係によって長所と短所の両面が生じます。
「人気だから」ではなく、自分たちの価値観やライフスタイルに合うかどうかを基準に判断することが大切です。
土地や周辺の環境を確認しよう
区画の位置だけでなく、土地や周辺の環境も暮らしやすさを左右する大切なポイントです。
形状や高低差、日照条件、さらにはゴミ置き場や電柱の位置など、実際の生活をイメージしながら確認しておきましょう。
▼土地の形状
整形地(四角い土地)は建物を配置しやすく、工事費も抑えやすいため人気があります。
逆に三角形や台形、不整形地は間取りに工夫が必要です。しかし、価格が安めで個性的な家づくりができる可能性も秘めています。
▼高低差
造成地では平坦に整えられている場合が多いものの、傾斜値では道路や隣地と段差が生じることもあります。
段差が大きいと、駐車スペースやアプローチ、擁壁などに費用がかかります。周囲より低い土地は、大雨時の浸水リスクも高まります。
一方で周囲より高い土地は、隣地からの視線が気になりにくい、日当たりが確保できるといったポジティブな側面もあります。
▼日照・通風・音・ニオイ
その土地の善しあしは、五感でしか分からない部分も多いものです。図面だけでは判断できないため、現地で日照や風通しを確かめ、騒音や近隣施設からのニオイもチェックしましょう。
できれば時間帯や天候を変えて複数回訪れると、より正確な印象がつかめます。
▼水はけ
外構工事や排水計画に特別な配慮が必要となり、結果的に大きな追加費用が発生する場合があります。
水はけの悪い土地は、雨水が地中に浸透しにくいため、水が表面にたまりやすくなります。これを放置すると、建物の基礎に悪影響を及ぼすだけでなく、庭やアプローチの使い勝手が悪くなります。
そのため、水はけを改善するための地下排水溝や透水性舗装といった外構工事が求められます。これらの工事は、一般的な外構工事に加えての作業となり、追加の費用が生じます。
▼ハザードマップ・地盤マップ
同じ分譲地内でも、地盤の強さや災害リスクに差がある場合があります。洪水や土砂災害のリスクがないか、近隣の地盤調査履歴があるかを確認しておきましょう。
国土交通省のハザードマップポータルサイトや、地盤調査会社の地盤サポートマップでチェックできます。
▼電柱の位置
電柱も、暮らしの利便性や景観に影響します。窓の正面や玄関前に立っていると、眺望や出入りを妨げる原因になります。
間口の狭い土地ではとくに支障が大きいため、工事や駐車のしやすさも含めて確認が必要です。
▼ゴミ置き場の位置
ゴミ置き場が近すぎるとニオイや景観、動物による被害が気になる場合があります。逆に遠すぎると日々のゴミ出しが不便になります。
位置関係を見て、日常生活にストレスがないかチェックしておきましょう。
このように、土地や周辺環境には図面や資料だけでは分からない要素が多くあります。現地で五感を使って確認し、暮らしやすさや安全性を総合的に判断することが大切です。
まとめ:区画選びは「人気」より「自分に合うか」で判断
分譲地の区画選びは、一生の暮らしを左右する大切な決断です。人気の区画が必ずしも自分たちに最適とは限りません。
要望の優先順位を決め、現地をよく確認し、客観的に比較することが後悔しない選択につながります。自分たちのライフスタイルに合った土地を見極め、理想の暮らしを実現しましょう。
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