
4人家族に適した間取り・広さは?住まいづくりのポイントを解説
住まいづくり
住宅価格の高騰が続く今、《どれだけ広く建てるか》よりも《効率的な間取りをどう設計するか》が問われる時代に入っています。とは言え、住宅の間取りは狭すぎると不便です。
では《4人家族で暮らす住まい》なら、どれくらいの広さがあれば快適に過ごせるのでしょうか?どんな間取りなら、心地よく、シニアになっても安心して暮らせるのでしょうか?
本稿では、4人家族に適した間取りと、広さの目安をご紹介します。「間取りや広さで後悔したくない」と感じている方は、ぜひ最後までチェックしてみてください。
4人家族に適した間取りとは?
4人家族にとって快適に暮らせる間取りとは、どんな間取りでしょうか?
現在主流となっている間取りから、読み解いてみましょう。
都市部を中心に3LDKが人気、郊外は4LDKが主流
現在、4人家族向けの間取りとして人気があるのは《3LDK》と《4LDK》です。
都市部では、マンションや限られた敷地に建てられる住宅が多いため、《3LDK》が標準的な間取りとなっています。
一方、土地に余裕のある郊外では、よりゆとりを持って過ごせる《4LDK》が主流です。
以下に、4人家族の観点から、3LDKと4LDKの特徴を表にまとめました。
項目 | 3LDK | 4LDK |
---|---|---|
強み・魅力 | ・価格を抑えられる ・家事動線がコンパクト |
・和室/書斎/趣味部屋を確保しやすい ・身内やゲストの宿泊もOK |
弱み・注意点 | ・収納がタイトになりがち ・部屋数がギリギリ |
・建築コストや維持コストがアップ ・都市部では高額かつ物件数が少ない |
こんな家庭に | ・子どもが小さい ・共働きで平日は帰宅後すぐ就寝 ・住居費を抑えたい |
・在宅ワーカーがいる ・夫婦別寝室を希望 ・来客や二世帯同居を想定 |
多くの4人家族にとって、3LDKは「ムダがなく、バランスがよい」選択肢です。必要な部屋をしっかり確保しつつ、建築費やランニングコストを抑えられる点が魅力です。
まずは3LDKをベースにして、必要に応じて部屋を足し、ご家族に合う間取りの形を探すとよいのではないでしょうか。
なぜ「3LDK」が支持される?
都市部で住まいを探す4人家族にとって、3LDKは非常に人気のある間取りです。
では、なぜ3LDKがこれほどまでに支持されるのでしょうか?
▼3LDKが人気の理由
土地代が高い都市部においては、建築コストを抑制できる《ムダのない間取り》が好まれます。3LDKなら、相対的に、購入価格や維持費を安く抑えられる傾向があります。
加えて、以下のようなバランスのよさも評価されています。
- ゾーニングがシンプル。「夫婦の寝室+子ども部屋2つ」で分けられ4人家族にフィットしやすい。
- 流通在庫が豊富。都市部では新築・中古とも3LDKの流通量が多く、4LDKは比較的高額かつ希少。
- 将来的にも使いやすい。子どもの独立後「夫の寝室+妻の寝室+ゲストルーム+LDK」にできる。
3LDKは「家族の私室を確保しつつ、みんなが集まるLDKを持つ」という現代のニーズに合致しています。
かつ「経済的な負担を抑えながら、子の独立後も対応しやすい」という実用的なメリットも兼ね備えているため、4人家族に選ばれているのです。
▼3LDKの注意点
一方で、3LDKを選ぶ際には以下のような点を考慮する必要があります。
- 来客用の部屋を確保しにくい
- ご夫婦それぞれの個室が持てない
- 在宅ワークに対応しづらい
そのため「来客が多い」「夫婦の寝室を分けたい」「在宅ワークになる可能性がある」という方なら「4LDK」が向いています。
また、物が多いご家庭は「3LDK+大収納」など、状況に合った選択が求められます。
4人家族に必要な家の広さは何平米 (平方メートル)?
先述のとおり、4人家族向けの間取りとして人気があるのは《3LDK》と《4LDK》です。では、広さはどのくらい必要なのでしょうか?
必要な面積を算出する際、よく引用されるのが「居住面積水準」です。
この居住面積水準は、国土交通省が策定した「住生活基本計画」の中で示されており、私たちが健康で文化的な住生活を送るために必要な住宅の広さの目安が示されています。
この「水準」には、大きく2つの種類があります。それが、「最低居住面積水準」と「誘導居住面積水準」です。
最低居住面積水準(最低限の広さ)
最低居住面積水準とは、その名のとおり「これ以下の広さでは、健康で文化的な暮らしを維持するのが難しい」とされる、住宅面積の最低ラインです。
たとえば4人家族の場合、以下の計算式で求められます。
10m² × 世帯人数(4人) + 10m² = 50m² (約15坪)
この広さは、ゆとりがあるとは言えません。
たとえば「LDKが10畳程度、主寝室が6畳、子ども部屋が4.5畳×2室で、収納スペースはほとんど確保できない」といった間取りが想定されます。
最低居住面積水準はあくまで「健康的に暮らすための最低ライン」です。4人家族が快適に過ごすには、もう少し余裕のある広さを確保する必要があるでしょう。
誘導居住面積水準(ゆとりある広さ)
住まいに求める広さは、家族構成やライフスタイルによって異なりますが、できれば「快適な広さ」を実現したいものです。
そこで参考になるのが「誘導居住面積水準」。この基準は、単に暮らせるだけでなく、多様なライフスタイルに対応しやすい、快適でゆとりのある広さの目安として定められています。
誘導居住面積水準は、住む場所や住宅の種類に応じて、さらに次の2つのタイプに分けられています。
▼1.都市居住型誘導居住面積水準
都市居住型誘導居住面積水準は、都市の中心部やその周辺にあるマンションなどでの居住を想定した面積水準です。
この水準は「誘導」という言葉が示すとおり、努力目標です。4人家族の場合、以下の式で求められます。
20m² × 世帯人数(4人) + 15m² = 95m² (約29坪)
都市部では土地に制約があるため、戸建て住宅はこのあたりの広さが現実的かつ快適なラインと言えるでしょう。
一方マンションでは、主流の広さよりかなり広めの水準です。
▼2.一般型誘導居住面積水準
一般型誘導居住面積水準は、都市の郊外や、都市部以外の地域にある戸建て住宅での居住を想定した面積水準です。
4人家族の場合、以下の式で求められます。
25m² × 世帯人数(4人) + 25m² = 125m² (約38坪)
このくらいの広さがあれば、LDKに開放感があり、収納スペースや個室もしっかり確保できるでしょう。
さらに、現実の居住状況についても見てみましょう。総務省の「令和5年住宅・土地統計調査」によると、2023年時点での1人あたり居住室の広さは「14.65畳 (約23m²)」となっています。
4人家族で換算すると「約92m²」となり、都市型誘導居住面積水準とほぼ同等の広さが平均的な水準だとわかります。
つまり、整理すると次のように考えられるのではないでしょうか。
- 最低限の水準は50m²以上
- 平均的な水準は95m²前後
- ゆとりのある水準は125m²前後
ご覧のとおり、家族一人ひとりが自分の空間を持ち、快適なLDKや使いやすい収納を実現するには、ある程度の面積が必要になります。
土地を購入して新築される場合は、それを見込んだうえで土地の広さを検討するとよいでしょう。
》建築面積とは?どこまで算入?延床面積や敷地面積との違いも解説
》新築時に必要な土地の広さ(坪数)の目安は?面積の計算方法を紹介
住まいづくりのポイントは?(間取り視点)
最後に、間取りの観点から「住まいづくりのポイント」を2つご紹介します。
間取りは将来を見据えて検討する
家づくりにおいて、「将来を見据えた間取り」を考えることは非常に大切です。
新築時には理想的に感じる間取りでも、数年後あるいは十数年後にライフスタイルが変わり、使いにくく感じることがあります。
たとえば以下のような変化は、決して人ごとではなく、よくある話です。
- 家族構成の変化:子どもの独立、親との同居など
- ライフスタイルの変化:働き方や健康状態の変化など
子どもが独立したときや、親との同居が必要になったとき、部屋をどうするのか。在宅ワークが増えたり、高齢になり2階に上がるのが難しくなったりしたらどうするのか。
そのような未来もある程度想定して間取りを検討しておくと、あとから大がかりなリフォームをしなくても柔軟に対応できる間取りになります。
たとえば、以下のような手が有効かもしれません。
- 老後に備えて、ほぼ1階だけで暮らせる間取りにする
- 子の独立を見据えて、子ども部屋は最小限の広さにする
- 在宅ワークや親との同居に備えて、多目的室を1室設けておく
目先の使い勝手だけにとらわれず、10年後・20年後の暮らしを想像しながら間取りを考えることが、後悔しない家づくりの第一歩です。
間取りの柔軟性を確保するなら、広い土地が有利
家族構成やライフスタイルは、年月とともに変化していくものです。そんな変化に柔軟に対応できる間取りを実現したい場合は、土地の広さが重要な鍵を握ります。
広い土地があれば、住宅設計における物理的な制約が減り、将来にわたって快適に住める柔軟な間取りがつくりやすいです。
▼間取り・階層の自由度が高い
土地が広ければ、各部屋にゆとりを持たせたり必要に応じて部屋数を増やしたりするなど、柔軟な空間設計が可能になります。
また、将来の階段の上り下りによる負担を見越して、生活動線をワンフロアにまとめた《平屋》を検討しやすいことも大きな魅力です。
》平屋を建てるのに必要な土地の広さ(土地面積、坪数)の目安は?
》1.5階建てとは?平屋と違う?メリット・デメリットや間取りの実例を紹介
▼お庭との連携により生活を豊かにできる
土地の広さに余裕があると、リビングとつながるウッドデッキや庭を設けやすくなります。
たとえば、アウトドアリビングとして活用したり、子どもの遊び場やガーデニング、ペットとの暮らしなど、ライフスタイルに応じて屋外空間を取り込んだ住まいづくりを実現できます。
広い土地は購入費用や固定資産税が高くなる傾向があるなど、経済的な側面での考慮も必要です。しかし、間取りの自由度や柔軟性を重視したい方にとっては、大きなアドバンテージとなります。
間取りにこだわりたい方は、都市部だけでなく、郊外の広くて手ごろな土地にも目を向けてみてはいかがでしょうか?
【まとめ】4人家族に適した間取り・広さを見極めよう
近年の建築価格の高騰から、都市部を中心に新築住宅の面積を狭くする動きがあります。しかし、ゆったりとした生活や、将来の変化にも対応できる間取りを実現するには、それなりの広さが必要です。
ぜひあなたも、現在と未来を考え、家族にピッタリの間取りや広さを考えてみてください。土地を購入される場合は、その間取りを実現できる広さで、予算内に収まる土地を探すことが大切です。
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